起業ガイドブック
(事業計画書作成編)
The Mipro s Guide to
Starting a Business in Japan
(Drawing up a Business Plan)
の
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イ
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︵
事
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計
画
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作
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一
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︶対
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ミプロの「外国人のための起業ガイドブック」は、外国人の方が事業主として、日本でビ ジネスを行う場合に必要な事柄についてテーマ別に解説するものです。
「事業計画書作成編」では、事業計画書作成の目的と活用方法及び作成手順を図などを取 り入れてわかり易く解説しています。
紹介する内容は以下のとおりです。
Ⅰ 事業計画書作成の目的と活用
事業計画書とはどのようなもので、どのような場面で使用するものなのかを解説しています。
Ⅱ 事業計画書作成の流れ
事業計画書作成の手順をフローチャートを用い、わかり易く解説しています。これを参考 にして自分自身の事業計画書を作成することができます。
Ⅲ 事業計画書のレビュー
完成した事業計画書を見直す方法を解説しています。事業の見直し作業は一度ではなく何 度でも繰り返し行います。
著 者
ミプロ対日投資アドバイザー・行政書士 高橋 秀次
Ⅰ.事業計画書作成の目的と活用
1 起業と事業計画書 4
2 事業計画書作成の目的 4
3 事業計画書の活用 5
Ⅱ.事業計画書作成の流れ
1 商品・サービスの決定 8
2 商品・サービスの販売・提供価格の決定 9
3 商品・サービスの販売・提供数量の見積り 9
4 売上高の予測(目標) 9
5 商品・サービスの調達方法の決定 10
6 商品・サービスの調達コストの見積り 10
7 商品・サービスの販売・提供方法の決定 10
8 商品・サービスの販売・提供に直接掛かる費用の見積り 10
9 事業に関わる人の整理 12
10 販売費及び一般管理費の試算 14
11 現金収支の試算 15
12 資金種別ごとの試算 16
13 利益計画の作成 18
Ⅲ.事業計画書のレビュー
付 録
事業計画書作成例 21
参 照
1
起業と事業計画書
事業を始めるに当たって、事業計画書なしでも事業を始めることはできます。株式会社や 合同会社を設立するためには、会社法等で定められた書類の提出が求められますが、事業計 画書は会社設立のための必須書類ではありません。例えば、飲食店を開くためには保健所の 許可が必要になりますが、その許可申請の際に事業計画書の提出は必須ではありません。で は、事業計画書を作成する目的は何でしょうか。
2
事業計画書作成の目的
事業計画書作成の目的は、大別して 3 つあると考えられます。
(
1
)開業資金額を知る
事業を始める際に、どのくらいの資金を必要とし、その資金をどう調達するのかを知るた めです。この額を事前に把握することで、自己資金だけで開業が可能かがわかります。自己 資金だけでは開業資金が不足する場合は、第三者からの支援を受ける、融資を受けるなど、 資金調達の方法についての見通しも立てることができます。
(
2
)事業の継続可能性を知る
資金を投じて商品を仕入れ、それを販売して、収入を得、そのお金でまた商品を仕入れ て、また販売する、というサイクルを確立することができるか否か把握するためです。
(
3
)事業の見直しの際の判断材料とする
事業は思い通り順調に進むとは限りません。事業が思うように進まない時にどう軌道修正 していくかの判断材料として活用します。この見直し作業をすることで、行き当たりばった りの事業運営に比べて、事業成功の確率は高くなります。
3
事業計画書の活用
事業計画書作成の目的は、上記の通り自身の事業内容を確認することと、事業の進捗状況 を知ることです。さらに下記のように、第三者に自分の事業に対して理解を求めるような場 面でも活用できます。
(
1
)在留資格「経営・管理」の許可を得る
外国人が日本で事業の経営をするために在留資格「経営・管理」の許可申請を行う場合が あります。この時、これから始めようとしている事業が在留資格の許可条件に合致している か否かが審査されますが、その資料として事業計画書を提出します。なお、在留資格「経 営・管理」の審査では、投資規模、事業所の確保、事業の継続性・安定性などが審査の対象 です。
(
2
)補助金・助成金、融資などの事業資金を得る
補助金・助成金の申請では、その事業が補助金・助成金の交付条件に合致しているか否か が審査されます。公的資金から補助金・助成金を得るためには、社会経済に貢献できる事業 であること、その事業が実現可能であることなどが求められますが、その資料として事業計 画書を提出します。
融資の申請も同様に、その事業が融資を受けるのに適していることが求められます。新し い事業が興されることでその地域の経済に貢献できる、経済が活性化される、借入金の返済 が可能であるなどということを明らかにするための資料として提出します。
(
3
)事業の協力者を得る
次にフローチャートに従って事業計画書を作成していきます。巻末の 付 録 「事業計 画書作成例」も併せて参考にしてご自分の事業計画書を作成してみてください。
※注意:ここで説明する事業計画書は良く使われる項目を網羅していますので、この手順 に従えば事業計画書が完成します。しかし、これはあくまでも一例です。これか ら始めようとしている事業や自分自身の現況に応じて、適宜手順や内容を変更し てください。また、巻末 付 録 「事業計画書作成例」の最初の部分には、
【事業概要】を入れましたが、事業概要は事業計画書の使用目的や業種によって 様々ですから本文での解説は一部省いています。
1
商品・サービスの決定
2
商品・サービスの販売・提供価格の決定
3
商品・サービスの販売・提供数量の見積り
4
売上高の予測(目標)
5
商品・サービスの調達方法の決定
6
商品・サービスの調達コストの見積り
7
商品・サービスの販売・提供方法の決定
8
商品・サービスの販売・提供に直接掛かる費用の見積り
9
事業に関わる人の整理
10
販売費及び一般管理費の試算
11
現金収支の試算
12
資金種別ごとの試算
13
利益計画の作成
1
商品・サービスの決定
近々起業する予定がある場合は、既にどのような商品・サービスを販売・提供するか決め ている人が多いと思います。一方で、まだ具体的な商品・サービスの中身が決まっていない 人も、ここでは仮で良いので決めてください。何も決まっていない状態では、事業計画書作 成の次の段階に進めません。商品・サービスについて、下記の表に書き入れてその内容を整 理してみましょう。
商品・サービス名
商品・サービスの概要
商品・サービスの特徴
商品・サービスの決定理由
商品・サービス名
簡潔でなおかつ第三者が一目みてすぐに理解できるような名前を記載します。事業名を記 載しても良いです。
商品・サービスの概要
商品・サービスの内容を簡潔に記載します。商品・サービスの活用方法や使用目的、商 品・サービスの販売・提供方法などを記載します。
商品・サービスの特徴
商品・サービスの特徴やセールスポイントは何ですか。世の中にある従来のものとの相 違、アピールしたいポイントなどを記載します。
商品・サービスの決定理由
2
商品・サービスの販売・提供価格の決定
商品・サービスの販売・提供価格の決定は、事業継続にとって一番重要で、かつ難しい問 題でもあります。一度価格を決めたら変更しないということではなく、事業計画書を作成し ていく過程で何度も見直していきましょう。商品・サービスが複数ある場合は、個別に販 売・提供価格を決定します。一般的に、販売・提供価格は類似の商品・サービスの価格や調 達コストを考慮して決めます。
3
商品・サービスの販売・提供数量の見積り
販売・提供する数量を決定します。この時点で見積るのが難しいようであれば、下記4で 売上高を予測した後に逆算しても良いでしょう。
4
売上高の予測(目標)
商品・サービスの販売・提供価格と数量が決まれば、「価格×数量=売上」という計算 式で、おおよその売上高を見積ることができます。また、下記のように、売場面積などから 売上高を計算する方法もあります。
小売業など
飲食業、理・美容業など
営業社員による販売や清掃業などの労働集約型事業
商品の製造業や加工業
1m2(又は 1 坪)当たりの売上高×売場面積
客単価×座席数×回転数
一人当たりの売上高×従事者数
5
商品・サービスの調達方法の決定
完成品を仕入れる、原材料を仕入れて自分で加工するなどを決めます。また、調達先につ いて、安定した商品の供給が可能か検討し、支払い条件についても調べておきます。
6
商品・サービスの調達コストの見積り
商品・サービスの調達に係る費用を試算します。商品の完成品を仕入れる場合はその仕入 額を、原材料を仕入れて加工する場合は、原材料費と加工に係る経費を試算します。また、 サービスを提供する事業の場合は、サービス提供に直接掛かる経費を試算します。
7
商品・サービスの販売・提供方法の決定
店舗を設けるのか又はインターネットを利用した通信販売にするのか、あるいはその両方 なのかなど、どのような商品・サービスの販売・提供方法をとるのか決定します。
8
商品・サービスの販売・提供に直接掛かる費用の見積り
上記7で決定した販売・提供方法で発生する費用を試算します。
(ア)店舗を設けて商品・サービスを販売・提供する場合
・店舗を借りる場合の諸費用
店舗の賃借料、敷金・保証金、権利金、不動産仲介会社の手数料等がかかります。こ こでは、開業時の一時的な費用と毎月の費用とを分けて試算します。
・店舗の設備などの初期費用
飲食店や理・美容業など、店舗の内装が必要な場合や什器・備品を揃える場合は、 その費用を見積もります。これらの費用は試算が難しいので、内装業者や機械・器 具の業者に実際に見積もりを依頼すると良いです。なお、店舗の場所や規模、設備 の内容が具体的に定まらなければ業者からの見積もりは取りにくいので、店舗の候 補が定まった段階で業者に依頼をします。
(イ)インターネットを利用した通信販売の場合
上記2から8で説明した各項目について下記の表に書き入れて、その内容を整理してみま しょう。
商品・サービスの販売・提供価格
1 個当たりの単価、顧客 1 人当たりの単価、価格表等を記入
商品・サービスの販売・提供数量
1 か月当たりの販売数量、来店客数等を記入
売上高の予測(目標)
上記の商品・サービスの販売・提供価格及び数量から売上高を予 測して記入
商品・サービスの調達方法
完成品を仕入れるのか又は原材料を仕入れるのかを記入 商品や原材料の調達先等を記入
商品・サービスの調達コスト
商品の仕入額、原材料費、加工賃等を記入
商品・サービスの販売・提供方法
店舗における販売かインターネットによる販売なのかなどを記入
商品・サービスの販売・提供に直接 掛かる費用
9
事業に関わる人の整理
これまでは商品・サービスとそれらに関わるお金を中心に見てきましたが、次に「人」に 関係した項目を見ていきます。
自分自身の役職・役割及び給与
(役職・役割)
給与: 円
創業の動機及び将来の展望
創業の背景となる資格、職歴、特殊 技能、保有特許など
共同経営者、その他協力者
(役割)
人
円
従業員
(正社員、パートタイマー、アルバイト) 人
給与: 円
商品・サービスの仕入先、製造元
自分自身の役職・役割及び給与
事業における自分の役職・役割及び給与について記載します。下記の例のように自分が会 社の中で担う役割について具体的に書きます。給与は月々いくらになるのか大よその金額も 書きます。
(例)会社設立後に代表取締役に就任し経営全般を統轄する。 海外からの仕入れ買い付け業務の責任者を務める。 日本料理の調理責任者を務める。
創業の動機及び将来の展望
事業を始めようと思った動機やきっかけ、事業を始めるに当たってこれまでに準備をして きたこと。また、この事業によって実現しようと考えている将来のビジョン、熱意などを書 きます。過去の職歴などと関連付けて書いても良いでしょう。
創業の背景となる資格、職歴、特殊技能、保有特許など
保有する資格や基礎知識、築き上げてきた人脈などがあれば、過去の経験や保有資格をた だの自慢話として書くのではなく、これから始める事業に有効だと思われるものについて関 連性を持たせて書きます。
共同経営者、その他協力者
事業に参画する人(共同経営者、その他協力者)がいる場合に人数と役割を書きます。今 までに関わってきた人物や、構築してきたネットワークからどのような支援協力を受けるこ とが期待できるかなどを書きます。また、事業は 1 人で行うのか、それとも誰かと共同経営 をするのでしょうか。その他、家族や親族などに支援してくれる人がいる場合はそのような ことについても書きます。
従業員(正社員、パートタイマー、アルバイト)
従業員を雇う予定であれば書きます。正社員、パートタイマー、アルバイトなど、雇用形 態を記入し、人数と給与を書きます。なお、従業員を雇う場合は、給与の他に雇用保険など の支払いが発生します。
商品・サービスの仕入れ先、製造元
商品・サービスの仕入れ先を書きます。事業計画書には具体的な会社名・個人名を記入し ます。完成品を仕入れる場合は必要ありませんが、原材料を仕入れて自分で製造する時は、 原材料の提供元を書きます。
商品・サービスの販売・提供先
10
販売費及び一般管理費の試算
上記6、8で解説した商品・サービスの調達コスト及び販売・提供に直接かかる費用以外 で、事業運営に係るその他の費用を試算します。下記項目にあるようなものがその他の経費 として考えられます。商品・サービスの調達から販売・提供までの流れをシミュレーション して、そこで必要になりそうな経費を記入します。具体的にいくらかかるか不明な段階では あまり細かく算出する必要はありませんが、事前に経費を計上しておかなければ後に思わぬ 支出に驚くことになります。
販売費及び一般管理費
項 目 金 額
広告宣伝費
賃借料(店舗、倉庫、事務所等) 人件費
光熱費 旅費交通費 通信費 ・ ・ ・ ・ ・ ・
11
現金収支の試算(資金繰り表の作成)
今まで試算してきた数値を基に、実際の現金の流れを予測して資金繰り表を作成します。 資金繰り表は、現金の収支を予測し、支払い予定日に現金残高が不足になるような事態に 陥らないよう事前に対策を立ててやりくりをする目的で作ります。
最初に(ア)のように、収入について、売上は現金で入るのか売掛金になるのか。また、 売掛金とすると、回収期間はどのくらいになるのかなどを確認します。支出についても、仕 入れは、前払いなのか後払いになるのかなどの支払い日と支払い金額を確認します。給与や 公共料金などの販売費及び一般管理費についても支払い日と金額を書き出してみましょう。 資金繰り表は事業内容にもよりますが、一般的に下記(イ)のように複数月(6 ヶ月程度) の一覧表を作成します。
(ア)現金収支の期日と予想金額の把握 【収入】
現金売上の予想月額 ○○円 売掛金の回収 ○日〆 ○日回収 ○○円
※そのほか入金予定が翌月以降になる項目について、予想金額と入金予定日をリスト アップします。
【支出】
現金仕入れの予想月額 ○○円 買掛金の支払 ○日〆 ○日支払 ○○円 給与の支払 ○日〆 ○日支払 ○○円 光熱費の支払 支払日 ○日 ○○円 通信費の支払 支払日 ○日 ○○円 事務所・店舗の家賃の支払 支払日 ○日 ○○円
※そのほか支払いが予想される項目について、予想金額と支払予定日をリストアップし ます。
(イ)6 か月の資金繰り表
年 月 1 月目 2 月目 3 月目 4 月目 5 月目 6 月目 前月繰越
(1 月目は当初現金) 円 円 円 円 円 円
収
入
現金売上 円 円 円 円 円 円
売掛金の回収 円 円 円 円 円 円
前受金の入金 円 円 円 円 円 円
その他の入金 円 円 円 円 円 円
収入合計 円 円 円 円 円 円
支
現金仕入代金 円 円 円 円 円 円
買掛金の支払 円 円 円 円 円 円
販売費及び 一般管理費の
12
資金種別ごとの試算
これまでに算出してきた各項目を、設備資金、運転資金、財務支出に分けて試算し、開業 時の資金計画表作成の基にします。
資金項目 金 額
設
備
資
金
店舗、工場、事務所、機械、備品、車両など (内訳)
・内装工事費
・機械器具、設備、備品類 ・商品棚
・店舗・事務所保証金、不動産仲介会社手数料
円
円 円 円 円
運
転
資
金
原材料費、商品仕入、販売費及び一般管理費 (内訳)
■売上原価 ・商品仕入代金 ・材料費 ・労務費 ・外注費
・その他製造経費 ■販売費及び一般管理費
・広告宣伝費
・賃借料(店舗、倉庫、事務所等) ・人件費
・光熱費 ・旅費交通費 ・通信費 ・租税公課
・その他定常的に必要な経費
円
円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円
財
務
支
出
・借入金返済(支払利息含む) ・減価償却費
上記で試算した結果を基に下記のような開業時の資金計画表を作成します。(a)と(b) の金額が同額になるように作成します。この表を作成することによって、資金がいくら必要 で、その資金をどのように調達するのかがわかります。
また、会社を設立する場合は、「自己資金」と「親族、知人からの出資」の額を目安に資 本金の額を決定します。
必要な資金 金 額 調達の方法 金 額
設
備
資
金
店舗、工場、機械、備品、 車両など
円
自己資金
円
親族、知人からの出資 又は借入
円
運
転
資
金
原材料費、商品仕入、 販売費及び一般管理費
円
日本政策金融公庫ほか の金融機関からの借入
円
合 計 円(a) 合 計 円(b)
13
利益計画の作成
これまでに説明してきた1からの流れに従って事業計画書を作成し、事業から得られる 利益を予測します。現金収支の試算と同様に、今まで検討してきた各項目を転記して次の表 を完成させます。
「小企業の経営指標 2016」(日本政策金融公庫総合研究所編)によれば、小売業で黒字か つ自己資本がプラスの企業の平均値は、売上高総利益率(下記の表の c)は 37.4%、売上高 営業利益率(下記の表の e)は 2.3%、売上高経常利益率(下記の表の h)は 2.1%となって います。他の業種についても参考数値が同統計資料に掲載されています。この資料を参考に 利益計画を立てるのも一つの方法です。
第 1 期 第 2 期 第 3 期
a 売上高 円 円 円
b 売上原価 円 円 円
c 売上総利益(a - b) 円 円 円
d 販売費及び一般管理費 円 円 円
e 営業利益(c - d) 円 円 円
f 営業外収益 円 円 円
g 営業外費用 円 円 円
h 経常損益(e + f - g) 円 円 円
i 特別利益 円 円 円
j 特別損失 円 円 円
k 税引前当期損益(h + i - j) 円 円 円
l 当期純損益 円 円 円
事業計画書を作成する時や事業を見直す際に広く使われているのが、下記の 6W2H チェックです。実際にこのチェックに基づいてこれまでに自分が作成してきた事業計画書の 各項目を再点検してみましょう。
(1)What
商品・サービスは何か?
その商品・サービスの特徴は何か。
その商品・サービスの内容は掴んでいるか。 他者より優れた商品・サービスを提供しているか。
(2)Who
誰がその事業を行うのか?
個人事業で行うのか、法人を設立して行うのか。 1 人で行うのか、従業員を雇用するのか。 協力者はいるか又は必要か。
(3)Whom
対象となる顧客は誰か?
どのような属性の人達か。 個人か法人か。
仕入れ先はどこか。
(4)When
いつ開業するのか?
資金や人材の投入のタイミングはいつか。
いつ、どのタイミングで何をするというスケジュールを把握しているか。
(5)Where
どこで開業するのか?
店舗による販売かインターネット通販か。 自宅開業か独立した事業所にするのか。
対象となる市場、参入する業種、分野はどこか。
(6)How
どのような事業戦略で事業を行っていくのか?
どのようにして顧客の信用を得ようとしているのか。
どのようなノウハウを使って商品・サービスの販売・提供をするのか。
事業に係る金額はいくらか?
(8)Why
なぜこの事業を行うのか?
なぜあなたがするのか。 なぜその金額なのか。
その事業に社会的存在意義があるか。
作成した事業計画書では、上記 8 項目が満たされているでしょうか。不足している部分が あれば、その項目に戻って再度検討してください。これらの項目は一度は決めたものかもし れませんが、見直し作業を行い、各項目を行ったり来たりしつつ何度も変更や修正を加える ことで完成させていくものです。
事業計画書作成例
【事業概要】
開業予定日
年 月
業 種
商品・サービス名
商品・サービスの内容
事業の方法 *店舗、ネット等
事業所の所在地
事業主体 *個人事業、法人設立等
自己資金の額
円
第三者からの出資金額
円
出資者
資本金の額 *法人の場合
円
借入金の額
円
売上額
円
利益額
商品・サービス名
商品・サービスの概要
商品・サービスの特徴
商品・サービスの決定理由
商品・サービスの販売・提供価格
商品・サービスの販売・提供数量
売上高の予測(目標)
商品・サービスの調達方法
商品・サービスの調達コスト
商品・サービスの販売・提供方法
【事業に関わる人】
自分自身の役職・役割及び給与
(役職・役割)
給与: 円
創業の動機及び将来の展望
創業の背景となる資格、職歴、特殊 技能、保有特許など
共同経営者、その他協力者
(役割)
人
円
従業員
(正社員、パートタイマー、アルバイト) 人
給与: 円
商品・サービスの仕入先、製造元
販売費及び一般管理費
項 目 金 額
広告宣伝費
賃借料(店舗、倉庫、事務所等) 人件費
光熱費 旅費交通費 通信費 ・ ・ ・ ・ ・ ・
円 円 円 円 円 円
【現金収支の試算】
6 か月間の資金繰り表
年 月 1 月目 2 月目 3 月目 4 月目 5 月目 6 月目 前月繰越
(1 月目は当初現金) 円 円 円 円 円 円
収
入
現金売上 円 円 円 円 円 円
売掛金の回収 円 円 円 円 円 円
前受金の入金 円 円 円 円 円 円
その他の入金 円 円 円 円 円 円
収入合計 円 円 円 円 円 円
支
出
現金仕入代金 円 円 円 円 円 円
買掛金の支払 円 円 円 円 円 円
販売費及び 一般管理費の
支払 円 円 円 円 円 円
借入金返済 円 円 円 円 円 円
その他の支出 円 円 円 円 円 円
支出合計 円 円 円 円 円 円
当月差引金額 円 円 円 円 円 円
【資金種別ごとの試算】
資金項目 金 額
設
備
資
金
店舗、工場、事務所、機械、備品、車両など (内訳)
・内装工事費
・機械器具、設備、備品類 ・商品棚
・店舗・事務所保証金、不動産仲介会社手数料
円
円 円 円 円
運
転
資
金
原材料費、商品仕入、販売費及び一般管理費 (内訳)
■売上原価 ・商品仕入代金 ・材料費 ・労務費 ・外注費
・その他製造経費 ■販売費及び一般管理費
・広告宣伝費
・賃借料(店舗、倉庫、事務所等) ・人件費
・光熱費 ・旅費交通費 ・通信費 ・租税公課
・その他定常的に必要な経費
円
円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円
財
務
支
出
・借入金返済(支払利息含む) ・減価償却費
必要な資金 金 額 調達の方法 金 額
設
備
資
金
店舗、工場、機械、備品、 車両など
円
自己資金
円
親族、知人からの出資 又は借入
円
運
転
資
金
原材料費、商品仕入、 販売費及び一般管理費
円
日本政策金融公庫ほか の金融機関からの借入
円
合 計 円(a) 合 計 円(b)
【3 期の利益計画】
第 1 期 第 2 期 第 3 期
a 売上高 円 円 円
b 売上原価 円 円 円
c 売上総利益(a - b) 円 円 円
d 販売費及び一般管理費 円 円 円
e 営業利益(c - d) 円 円 円
f 営業外収益 円 円 円
g 営業外費用 円 円 円
h 経常損益(e + f - g) 円 円 円
i 特別利益 円 円 円
j 特別損失 円 円 円
k 税引前当期損益(h + i - j) 円 円 円
中小企業庁 SmallandMedium EnterpriseAgency
http://www.chusho.meti.go.jp/index.html
http://www.chusho.meti.go.jp/sme_english/index.html 起業支援補助金
独立行政法人
中小企業基盤整備機構 OrganizationforSmall &MediumEnterprises andRegional
Innovation,JAPAN (SMESupport,JAPAN)
http://www.smrj.go.jp/index.html
http://www.smrj.go.jp/english/index.html
起業支援 販路拡大 資金調達
日本政策金融公庫 JapanFinance Corporation(JFC)
https://www.jfc.go.jp
https://www.jfc.go.jp/n/english/ 起業支援融資
J-Net21 http://j-net21.smrj.go.jp/index.html 起業支援事業拡大 資金調達
独立行政法人 日本貿易振興機構 JapanExternalTrade Organization(JETRO)
https://www.jetro.go.jp/
https://www.jetro.go.jp/en/ 起業支援貿易投資相談
一般財団法人
対日貿易投資交流促進 協会
Manufactured Importsand
InvestmentPromotion Organization(MIPRO)
https://www.mipro.or.jp/
https://www.mipro.or.jp/
本資料は、最新の情報に基づき、十分な注意を払い正確な情報を提供する よう努めておりますが、実際に手続をされる場合には、管轄官公庁等におい て必要書類及び必要事項等をご確認いただくか、あるいは行政書士等の専 門家にご相談ください。
起業ガイドブック
(事業計画書作成編)
The Mipro s Guide to
Starting a Business in Japan
た
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